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賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選

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賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選

賃貸管理業務を行う上で避けて通れないのが、クレームやトラブルへの対応です。

クレームを大事に発展させず、スムーズに解決へと導くためには、何よりも迅速な対応が求められます。

初めは些細な内容に思える問題でも、放置することで深刻化する恐れがあります。

そこで今回は、賃貸管理会社が直面しやすいクレームやトラブルの事例を挙げ、それぞれの対策方法を詳しく解説します。


賃貸管理におけるクレームは、大きく分けると「入居者同士のトラブル」と「管理会社やオーナーへのクレーム」の2つに分類されます。

以下、それぞれのケースについて具体的にご紹介します。


<目次>
入居者同士のクレーム・トラブル
 騒音についてのクレーム
 水漏れについてのクレーム
 他の部屋からの臭いについてのクレーム
 共用部分にモノを置くことについてのクレーム
 ゴミ出しルール違反についてのクレーム
 ペットの鳴き声や悪臭によるクレーム
賃貸管理会社やオーナーに対するクレーム
クレーム・トラブル対応におすすめの施策
まとめ


入居者同士のクレーム・トラブル

入居者同士のトラブルは、放置や対応の誤りによって、最終的に賃貸管理会社やオーナーへの不満へとつながる可能性があります。

同じ物件に住む住人同士の問題であるからこそ、賃貸管理会社が迅速かつ適切に対応することで、トラブルの拡大や深刻化を未然に防ぐことが重要です。


騒音についてのクレーム

マンションやアパートでは、隣接する部屋や上下の階を壁や床で隔てているため、クレームの中でも「騒音トラブル」が最も発生しやすい問題の一つです。

賃貸物件に暮らしていると、子供が走り回る音、ピアノやギターなどの楽器の演奏音、洗濯機の稼働音、テレビやオーディオの音、さらにはトイレの流水音など、日常生活でさまざまな音が発生します。

これらの音は、建物の構造によって聞こえ方が異なります。

例えば、しっかりとした構造のマンションであれば音が小さく抑えられることが多い一方、アパートでは音が直接耳に響きやすい場合があります。

また、人によって音への感受性が異なるため、些細な音でも気になってしまうケースも少なくありません。


こうした騒音トラブルが発生した場合、賃貸管理会社はクレームがあれば迅速に現場に対応する必要があります。

「些細な問題」と軽視して対応を遅らせると、入居者間のトラブルが深刻化し、最終的に管理会社やオーナーへの不満につながります。


騒音トラブルを解決するためには、まず双方の入居者から話を聞き、状況を正確に把握することが大切です。

その上で、客観的な視点から判断し、解決策を提示します。

たとえば、楽器の演奏音や洗濯機の音が問題となっている場合は、夜間の使用を控えるよう提案するなど、状況に応じて適切な対応を行います。

入居者双方に配慮しながら仲裁を行い、トラブルが再発しないような解決策を提示することが求められます。


騒音トラブルを未然に防ぐためにも、重要事項説明において、楽器の使用や生活音に関するルールを詳しく説明し、これらの規則を順守するよう入居者に周知徹底するようにしましょう。

そうすることで、入居者に事前に物件のルールを理解してもらい、騒音トラブルを減らすことが期待できます。


水漏れについてのクレーム

水漏れトラブルの原因が建物や設備の老朽化などの場合、その責任はオーナーや賃貸管理会社にあります。

この場合、被害が発生した場合には賠償責任が生じるため、速やかに修理や補償対応を行わなければなりません。

一方で、階上の入居者の過失によるものであれば、その責任は入居者本人が負うことになります。

このようなケースでは、入居者が損害を補填できるよう保険の加入状況も確認する必要があります。


万が一のトラブルに備えるため、オーナーには火災保険の付帯サービスである「施設賠償責任保険」への加入をおすすめします。

この保険は、建物や設備に起因する事故で第三者に損害を与えた場合の賠償金を補償するもので、オーナーが安心して物件を管理するために重要な備えとなります。


また、賃貸契約を締結する際に「個人賠償責任保険」への加入を条件とすることで、万が一の際に入居者自身が補償を行えるよう備えることができます。

この保険は、階下への水漏れや日常生活の中で第三者に与える損害をカバーするもので、入居者にとっても安心感を得られる有効な手段です。


他の部屋からの臭いについてのクレーム

他の入居者から発生するタバコや料理の臭いが気になるという声は、賃貸物件においても非常によく見られるクレームの一つです。

例えば、「階下で吸われたタバコの臭いが換気扇を通じて部屋に流れ込んでくる」「ベランダでタバコを吸われた際に洗濯物に臭いがついてしまう」といった具体的な事例がよく挙げられます。

これらの問題は、住環境の快適性に直接影響を及ぼすため、迅速かつ客観的な対応が賃貸管理会社に求められます。

タバコに関しては、臭いの問題だけでなく、含まれるニコチンやタールが壁紙を黄色く変色させるなどの物理的な影響も考慮する必要があります。

特に、退去時にクロス(壁紙)や天井に臭いが染みついていたり、黄色く変色していたりすると、原状回復のための修繕費用が大幅に増えることがありますので、入居者に喫煙に関するマナーをしっかりと守ってもらうことが重要です。


近年では、タバコによるトラブルを未然に防ぐために「禁煙」を条件とした賃貸物件も増加しています。

喫煙者の入居を制限することで、臭いや汚れによるクレームや修繕費用の増加を抑える取り組みが広がっています。

ただし、すべての物件が禁煙というわけではないため、喫煙を許可している物件では、契約時に喫煙に関するルールやマナーを十分に説明し、入居者に周知徹底することが重要です。


共用部分にモノを置くことについてのクレーム

マンションやアパートの共用部分に、エアコンの室外機、自転車、ベビーカー、傘立てなどを置く入居者が見受けられることがあります。

共用部分に私物を置くことは、多くの場合、物件の使用規則や賃貸借契約書で明確に禁止されています。

共用部分に物を置く行為は、単に見た目が悪いだけでなく、火災や災害が発生した際に避難経路を塞いでしまい、住民の安全を脅かす重大なリスクを伴います。

それにもかかわらず、このルールが守られないケースでは、管理会社として毅然とした対応が求められます。


こうした問題に対処する際には、まず現場の状況を確認し、当該入居者に対して適切に注意喚起を行うことが必要です。

共用部分に物を置く行為が物件のルールに違反していることを丁寧に説明し、速やかに撤去するよう依頼します。

共有スペースが避難経路としての役割を果たすことや、他の入居者との公平性を保つためにも規則の順守が重要であることを具体的に伝えることが効果的です。

しかし、注意喚起を行っても改善されない場合には、さらに強い措置が求められます。

賃貸借契約書に記載されている「禁止事項」に該当する可能性があることを正式に指摘し、改善が見られない場合は契約解除の対象となり得ることを明確に説明することが重要です。


ゴミ出しルール違反についてのクレーム

ゴミを出す日は、各地域で地方自治体によって詳細に決められています。

このルールに従わずにゴミを出すと、回収がされないだけでなく、ゴミが放置された状態になり、悪臭が発生したり、カラスがゴミ袋を破って散乱させたり、ハエや害虫が発生するなど、非常に不衛生な環境を招く原因となります。

他の入居者からの苦情が増えるだけでなく、近隣住民とのトラブルや物件の評判の低下を引き起こす可能性もあります。

もし、ルールを守らないゴミ出しの当事者が特定できる場合には、その入居者に対して直接的な注意喚起を行います。

この際、単に注意をするだけでなく、なぜゴミ出しのルールが重要なのか、具体的な影響や理由を説明し、ルールを守るよう促すことが大切です。

たとえば、「不適切なゴミ出しは周囲に迷惑をかけるだけでなく、物件全体の衛生状態を悪化させる」といった影響を具体的に伝えることで、問題意識を持ってもらうことが期待できます。


一方で、違反者を特定できない場合には、全体に対してルールを再周知する取り組みが必要です。

物件の掲示板に注意喚起の張り紙を掲示したり、全戸に通知文を配布してルールを守るよう呼びかける方法が効果的です。

通知文には、ゴミ出しの日程や分別のルール、違反がもたらす問題点などを具体的に記載し、全入居者が再確認できるようにしましょう。

また、具体的な分別方法やゴミステーションの利用ルールが分かりやすく記載されたガイドを配布することも有効です。


ペットの鳴き声や悪臭によるクレーム

他の入居者が飼育するペットに関して、「鳴き声がうるさい」「悪臭が気になる」「走り回る音が響く」などのクレームが寄せられることがあります。

ペット飼育が許可されている物件では、飼い主に対して他の入居者に迷惑をかけないよう適切な対応をお願いすることが重要です。

具体的には、鳴き声や足音による騒音を軽減するために、カーペットや防音マットを敷くなどの防音対策を提案することが有効です。


また、飼い主に対してペット飼育のマナーを守ることの重要性を強調し、トラブルを未然に防ぐための注意を徹底するよう促すことが求められます。


賃貸管理会社やオーナーに対するクレーム

賃貸管理物件におけるクレームは、同じ物件に住む入居者間だけでなく、賃貸管理会社やオーナーに対しても発生することがあります。

入居者からの依頼やクレームに対して迅速に対応せず放置してしまうと、最初は状況を理解して我慢していた入居者でも、次第に不満が蓄積し、最終的には感情的になって怒りを爆発させるケースが少なくありません。

このような状態に陥ると、当初は簡単に解決できたはずの問題もこじれてしまい、対応がさらに難しくなる可能性があります。

そのため、クレームが寄せられた場合は、問題が大きくなる前に迅速かつ的確に対処することが重要です。


例えば、建物や設備に起因するクレームが発生した場合、賃貸管理会社は速やかに現場の状況を確認し、必要な修理や改善を迅速に行う必要があります。

もし問題が入居者の責任ではなく、建物や設備の不備が原因で発生したものであれば、オーナーが被害を受けた入居者に対して賠償を行うことが求められます。

このような場合、管理会社はオーナーに正確な情報を共有し、適切な対応を促すことが大切です。


一方で、オーナーへの初期対応が不十分であった場合、不信感が募り、今後の賃貸物件の運営に悪影響を及ぼすリスクがあります。

オーナーと入居者双方の信頼を維持するためにも、管理会社は中立的かつ丁寧な対応を心掛ける必要があります。

特に、精神的なストレスを伴うクレームには慎重な対応が求められます。

入居者は、自分の生活環境に直接影響を与える問題に対して非常に敏感です。

クレームの内容が入居者の不安や不満に根差している場合は、話をしっかりと聞き、共感を示しながら解決に向けた行動を迅速に取ることが重要です。


賃貸管理業務におけるクレーム対応は、単なる問題解決にとどまらず、入居者やオーナーとの信頼関係を構築し、物件運営全体の円滑化につながります。

迅速で的確な対応を通じて、物件の価値向上や顧客満足度の向上を目指すことが賃貸管理会社の責務といえます。


クレーム・トラブル対応におすすめの施策

賃貸管理において、さまざまな種類のクレームやトラブルが発生しますが、それぞれに迅速かつ的確に対応するためには、対応手順をマニュアル化することがおすすめです。

弊社クラスコでは、クレーム対応をはじめとする賃貸管理業務全般に必要な情報を網羅した賃貸管理Webマニュアル「ちんたいちょう」を活用しています。


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まとめ

賃貸物件におけるクレームやトラブルは、入居者同士や管理会社、オーナーに対してさまざまな形で発生します。

その原因は騒音や水漏れ、臭い、共用部分の使用ルール、ゴミ出し、ペットに関する問題など、多岐にわたります。

こうしたクレームに対処するためには、迅速かつ的確な対応が求められるとともに、事前の予防策やルール整備が重要です。

クレーム対応は、単なる問題解決だけでなく、入居者満足度や信頼関係を構築する大切な機会でもあります。

適切な施策を講じることで、トラブルを未然に防ぎ、長期的な安定経営につなげることができるでしょう。


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