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災害対応6つのポイント

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災害対応6つのポイント

このたびの石川県能登半島を震源とする地震により、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

被災地域の一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

金沢市に本社を構えております、弊社クラスコも皆様より温かいお言葉をたくさんいただきました。

心より御礼申し上げます。


今回は、能登半島地震当日の出来事、管理会社としての対応を時系列に沿ってお伝えいたします。

合わせて、災害対応の6つのポイントをお伝えいたします。


<目次>
災害時の取り組み【令和6年能登半島地震の対応】
災害対応6つのポイント
 ①災害の特設サイト開設
 ②入居者からのお問い合わせ対応
 ③入居者からのお問い合わせ対応【コールセンター】
 ④管理物件の被害状況確認
 ⑤被災者への支援活動&告知
 ⑥オーナーへの取り組み共有
まとめ


災害時の取り組み【令和6年能登半島地震の対応】

2024年、1月1日、午後4時10分に地震がありました。

金沢では震度5強を観測しました。

約20分後の午後4時29分に、最初の電話が鳴りました。

すぐに対策本部を立ち上げ、スタッフ全員の安否確認を行いました。

地震が起きたのが1日の元旦ということもあり、店舗はお休みで金沢から離れているスタッフも多く、現地の被害対応ができるスタッフ27名を緊急で招集し、対応にあたりました。

特に水漏れ被害が多く、1日で168件の水漏れ被害の連絡がありました。

翌日の2日にも沢山の連絡があり、コールセンターでは、普段クレーム対応をしているスタッフはスムーズに応対できるのですが、緊急で招集したので、水漏れに関して知識のないスタッフが多かったことも事実です。

その際に、助けてくれたのは入居者WEBのサイトです。

クラスコの物件に入居している入居者様が閲覧できるWEBサイトで、そこには水漏れのトラブルが起きた場合や電気に関するトラブルが起きた場合の対応が掲載されています。

そこに、地震に関するトラブル対応方法を作成し、スタッフにもこのWEBサイトを見て対応してほしいと伝えました。

電話は鳴り止まず、それぞれが個々に対応していましたので、このマニュアルがなければ正直、厳しかったのではないかと思います。

専門的な内容はもともと使用していた「ちんたいちょう」というアプリに全て格納していましたので、ちんたいちょうを確認し、対応しました。

2日目には43名、3日目には70名のスタッフが出社し、自社の管理物件、入居が既に決まっている物件、空室物件の被害状況の確認を行いました。

その確認には、普段から使用している「きろくん」という点検アプリを使用することでスムーズに外壁や室内の状況を確認・点検できました。

1月3日には被災者の支援を決定し、仲介手数料無料・対象物件の家賃最大6ヶ月はクラスコが負担するという支援を決定しました。

WEBサイトにも公開し、ここからお部屋探しの問い合わせが増えています。

本来は1月4日まで全店舗お休みですが、被災の対応を優先し、1月3日より業務を開始致しました。


災害対応6つのポイント

①災害の特設サイト開設

クラスコの災害の特設サイトをすぐに開設したことで、電話ではなく全てサイトから問い合わせできるようになりました。

「待っても待っても電話が繋がらない」という事態を避けることができました。

災害特設サイトから、地震の被害ごとに、各フォームへアクセスできます。

アクセス数が1週間で1562件と、多くの方にアクセスしていただき、スムーズにご案内することができました。


②入居者からのお問い合わせ対応

緊急性の高いものから順次対応していましたが、スタッフもパンク状態。

ガスが止まったり、マイコンメーターの止め方など、お客様自身で対応できそうなもの、入居者WEBサイトのマニュアルを見ながら、一時対応の部分をお願いしました。

もちろん、予測できない事態にはすぐにスタッフが駆け付けますが、このマニュアルがあることは非常に助かりました。

専門性の高いウェブサイトの変更や追加は、専門的なコーディングを頼む必要がありますが、弊社クラスコは、テクノロジーチームでウェブサイトを作成していますので、自社で必要な部分を足していけた部分は非常に助かりました。

入居者様からのお問い合わせフローチャートでは、まず、自動音声が流れます。

そこで緊急性低いものに関してはウェブサイトへ誘導し、フォームから登録するようなご案内をします。

ウェブサイトへ誘導することで、コールセンターがパンク状態になることを防ぎます。

フォームには約6日間で161件のお問い合わせをいただきました。

お客様からは写真付きでフォームに登録していただきましたので、お客様への連絡もスムーズに行うことができ、また私たちの業務付加も大きく削減できました。


もうひとつ、保険対応を直接保険会社にお願いしました。

私たちが間に入らずに直接お客様から保険の対応をしていただくような動線を作ったこともスムーズに対応できた要因かと思います。


また、普段からWEBサイトを見ないお客様もいるのではないかということで、アパートには張り紙とポスティングも行いました。

WEBサイトを見ないお客様にも、特設サイトがあるということの周知と、地震対応のマニュアルが確認できる状態を作りました。


③入居者からのお問い合わせ対応【コールセンター】

マニュアル通りにいかないこともありますので、コールセンターにもアウトソーシングしています。

コールセンターに一次対応をしてもらい、戻ってくると意味がないので、弊社クラスコの地震対応マニュアルを更新してコールセンターにも対応していただき、コールセンターだけで完結できるようにバージョンアップできたことは非常に良かったです。


④管理物件の被害状況確認

被害状況の確認ということで、まずは空室物件の確認を1月3日からの8日間で918件行いました。

2人1組で点検・確認に回り、張り紙を貼り、タイルが落ちていないか確認、危ない部分に関してはバリケードで囲いました。

弊社では、年に1度、全社員で清掃大会を行なっています。

その際に、建物点検アプリ「きろくん」を使って清掃箇所を点検していますので、全社員がこのアプリを使えたという点が非常に助かりました。

普段、点検・清掃に携わっていないスタッフもスムーズに点検を行うことができました。

スマートフォンに表示される項目に沿って点検していくのですが、地震用の点検・確認箇所もすぐに追加しました。

入力すると自動で整理され、印刷もすれば報告書が一瞬で出来ます。


外壁点検も「がいへきんぐ」をいうアプリを使い、1月16日までには弊社の管理物件全ての点検を終えました。


⑤被災者への支援活動&告知

被災された方への支援活動も素早く開始し、仲介手数料無料・対象物件の家賃最大6ヶ月はクラスコが負担するという発信を行いました。

Instagram、YouTube、TikTokで拡散しましたが、旧TwitterのXでのシェアが多くありました。

どんどんと拡散され7万以上のビュー数がありました。

「クラスコが支援してるよ」ということが広まり、被災された方にたくさん来店していただきました。


⑥オーナーへの取り組み共有

現場対応や来店対応で時間がなく、オーナー様への連絡がこまめにできるような状況ではありませんでした。

そこで、動画を活用しました。

地震の対応状況や、被災者がどれだけ来店されているかなど、今現在の状況を動画にし、弊社オーナーのLINEグループで発信しました。


書類にまとめてプリントアウトし、送ることも短時間では出来ません。

素早く動画を活用し、オーナー様への情報共有が出来て良かったと思います。


以上が災害対応のポイントです。


まとめ

1日に突然、能登半島地震が起こりました。

金沢市の一部でも被害が出ております。

地震の被害がこれほど大きくなるという予測は出来ませんでした。

事前に、地震対応マニュアルを準備して社内に共有していれば、また違う対応が出来ていたかもしれません。


しかし、普段の業務においても不動産テックを活用し、業務の効率化を行なっていたので、緊急の対応もスムーズに行えたのではないかと思います。

そしてSNSでの情報発信・拡散はやはり早く、広まり方も大きいと感じました。


クラスコ本社のある金沢市は今回の地震での大きな被害は少なく、日常を取り戻しつつあります。

しかし、地域の賃貸管理会社として、生活に大きな影響が出た多くの被災者の支援に取り組んでいきます。


本記事は以下の動画を参考に作成しています。

こちらも是非ご視聴ください↓



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