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【能登半島地震】震災を経験して賃貸管理会社が行うべき事前対策を振り返る

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【能登半島地震】震災を経験して賃貸管理会社が行うべき事前対策を振り返る

令和6年、1月1日、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が起きました。

クラスコが本社を構える金沢市でも震度5強の大きな揺れが起こり、直ちにスタッフの安全確認、管理物件の安全確認、トラブル対応が行われました。

今回は、地震発生当時の様子を振り返ります。

クラスコ代表 小村(以下、小村)

地震の発生は誰も予測できません。

事前にきちんとした地震の対応マニュアルがあれば、対応が違ったのかもしれません。

しかし、元々、生産性を上げるために不動産テックを活用し、社内でも広めていましたので、素早い対応が効率良くできたと思います。


クラスコ専務 清水(以下、清水)

コロナ禍が良い教訓になっており、社内の確認や情報の発信、何かあった時にマニュアル化していくことは、コロナ禍の経験もあったのでスムーズに行うことができたと思います。

情報発信しても、その時のことは後々、覚えていませんよね。

ですので、ウェブマニュアル化して発信をしていく、ウェブマニュアルさえ見れば今の状況がわかる状態を作ることができたということは、非常に大きいと感じました。

重要なことはチャット機能を使ってリアルタイムに会話していました。

基地局で全体を管理しているときに少しおかしいなと思うことがあると、そこにピンポイントで会話していけることもツールの力ですね。

あとはやはり、BCP計画を決めておくことが大事だなと再確認しました。


今回、地震が起きましたが、私たちは暮らしを預かっておりますので、自分たちだけが安全ではダメなのです。

入居されている方やオーナーさんの安全確保をしなければなりません。

1番最初の話にもありましたが、どのくらいのダメージを受けているかわかりませんでしたので、スタッフの安否確認をしながら、被害の確認をして対応方針を決め、ルールを決めたことも良かったですね。

こういう時には、こうしましょうというルールを定めたことでわかりやすくなったと思います。


小村

やはり、電話は繋がりませんでしたね。

みなさん、いろいろなところに電話していますし、お客様からの問い合わせも来ますが、なかなか繋がりませんでした。

10年前に同じようなことが起きていたら、チャットグループもないですし、めちゃめちゃな状態になっていたと思います。


清水

管理会社のスタッフは、動いてなんとかしようという思いが強いので、聞いたらすぐに動いてしまうんです。

本当は全体像を把握して緊急性の高いもの、重要度の高いものから動かなければなりません。

自分たちのリスクも回避しながら動く必要がありますが、みんな点で動いてしまいます。

そこをルール化して決めて動かしていくことが大事だなと感じました。


小村

宮川さんも実際に現地確認を行い、混乱などはなかったですか?


クラスコ 宮川

1日の始めに、こういう目的があり、こんなことをしますという共有を受けてから現地に向かうことができたので、対応にも特に困ることはありませんでした。

順番に物件を回って張り紙をしたり、きろくんで点検をしたりということは出来たと思います。


小村

まだ、余震もありましたし、何度経験しても緊急地震速報はドキッとしますし怖いですよね。

金沢市内でも、結構揺れた場所とそうでもない場所があったようで、私の自宅はそれほど揺れず、物も倒れませんでしたが、会社に来たら大変な状況になっていました。


清水

地震が発生してすぐに事務所のウェブカメラでオフィスの状況を全て確認しましたが、物が倒れ、ほぼ、何もないような状況になっていましたね。

建物の構造も関係あります。

賃貸の店舗だと1階に店舗があるので被害は少なかったですが、上の階に上がれば上がるほど被害も大きかったですね。


小村

体感した中では過去最大の地震でした。

あとは、水が出なくなってしまうお客様の物件がたくさんありました。

電気温水器が軒並み倒れてしまいました。

今では、地面に打ちつけることが義務化されていますが、それ以前の物がやはり倒れてしまいました。

水浸し状態になってしまったので、打ちつけの必要性を改めて感じました。


清水

地震の発生はお正月の1日ということも、被害を大きくした1つの要因だったかもしれません。

入居者様が帰省されていて不在であるため、気づかないことが多かったように思います。

実際に、開けてみたら大変な状況になっていることもありました。


小村

被災地域に持っていくために、金沢でも水が買えなくなり、ブルーシート、土嚢袋も無くなりました。

ブルーシートやバリケードを作る三角コーンなど、そういうものは災害があった場合に備えて常に持っておく必要がありますね。

改めて、防災対策を見直す必要があります。


会社にあるモニターも倒れてダメージを受けました。

仕事にも影響が出てしまったので、倒れない工夫をすぐに行いました。

オフィスの棚は固定されていますが、全てオープン収納なので、物が落ちているような状況でした。

割れ物は下の方に置く、テープで固定するなどできる対策は早めにしたほうがいいですね。


今回は、専務が司令塔になり的確に指示していただいたおかげで、効率的に出来ましたが、みんなが点で動くと統率できずに効率の悪い状況になっていたと思います。

本来は上の人が全体を見てコントロールしなければいけませんが、上の人はオーナーさんにすぐ来てと呼ばれてしまうのです。

他にも、お客様対応で出動してしまうので、災害時の動きのフローは必要だと感じました。

教訓となりました。



クラスコ本社のある金沢市は今回の地震での大きな被害は少なく、日常を取り戻しつつあります。

しかし、地域の賃貸管理会社として、生活に大きな影響が出た多くの被災者の支援に取り組んでいきます。


本記事は以下の動画を参考に作成しています。

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