
賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
「どこも似たような不動産会社ばかりで、どこに相談すればいいか分からない」
そんな声が増えている今、会社の“個性”をどう伝えるかが大切です。
その鍵を握るのが「ブランディング」です。
本記事では、不動産業界におけるブランディングの意味と、戦略を3つに絞って解説します。
成功のための3つの戦略
ミッション・ビジョン・バリューの明文化
顧客体験(CX)設計とサービスの一貫性
オウンドメディア・SNSでの情報発信
成功事例から学ぶ:実践企業の取り組み
ブランディングで得られる効果
まとめ
「ブランディング」という言葉はマーケティングの分野で頻繁に使われますが、その本質は単なるロゴやスローガンのデザインにとどまりません。
ブランディングとは、顧客の頭の中に「この会社は〇〇なイメージ」「この会社なら信頼できそう」という印象を構築し、定着させるための一連の戦略です。
本来「ブランド」とは、企業や商品、サービスが持つ固有の“価値”や“世界観”を意味し、それを顧客がどう認識するかによって成り立ちます。
「ブランディング」とはその価値を正しく伝え、社内外で一貫した形で体現するための活動です。
不動産業界におけるブランディングの意味
不動産業界は、商品(物件)の内容やスペックが似通っており、「どの会社でも同じようなサービスに見える」ことが多い業界です。
その中で顧客に選ばれるためには、「この会社に相談したい」「この会社なら安心できる」と感じてもらうことが不可欠です。
たとえば、
・ロゴやカラーリングなど視覚的要素(VI)
・スタッフの接客スタイルやサービスマインド(BI)
・ミッション・ビジョン・バリューといった理念(MI)
といった複数の要素を連携させ、統一された企業イメージを顧客に届けることが重要です。
また、ブランディングは社外だけでなく社内においても大切します
。社員が自社の理念やブランドの方向性を理解し、日々の行動に反映することで、顧客との接点においてもブレのない接客が生まれます。
不動産業界では、どの会社も似たような物件を取り扱っており、提供サービスも大きな差が見えにくいのが現状です。
そのため、価格や立地といった要素だけでは他社との差別化が難しく、結果として価格競争に巻き込まれがちです。
しかし、明確なブランドイメージを構築し、「この会社ならではの価値」を訴求できれば、価格以外の要素—信頼感、丁寧な対応、地域貢献度など—で選ばれる理由をつくることができます。
ブランディングは、競争が激化する中で埋もれない存在になるための戦略的手段なのです。
不動産取引は、金額の大きさや長期間にわたる契約が多いことから、顧客にとって大きな決断を伴うものです。
顧客は「この会社に任せても大丈夫か」「誠実に対応してくれるだろうか」といっ*“信頼”を最重要視する傾向があります。
ブランディングによって、会社の理念やスタッフの対応姿勢を可視化・明文化することで、顧客に安心感を与えることができ、自然と選ばれる存在になります。
信頼を築くためには、言葉だけでなく実際の行動やサービスの質との一貫性が不可欠であり、これを支えるのがブランド戦略です。
ブランディングは顧客向けの外部施策だけではありません。
社内に向けた理念の共有・文化の形成という側面も持っています。会社としてのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)が明文化され、社内全体に浸透することで、社員一人ひとりが「自分たちの会社は何のために存在するのか」「どんな価値を提供すべきか」を理解できるようになります。
社員のモチベーションやエンゲージメントが高まり、採用活動においても“共感”を得やすい企業となります。
結果として、定着率の向上やスタッフの一貫した行動が実現し、外部へのブランディング効果にも良い循環をもたらします。
ブランディングを形だけの施策で終わらせず、実際に企業価値を高め、顧客に選ばれる企業になるためには、具体的な戦略が必要です。
ここでは、不動産会社が取り組むべき3つの実践的な戦略を紹介します。
まずは、自社の存在意義や価値を再確認し、それを言語化することから始めましょう。
ミッション(使命)、ビジョン(理想像)、バリュー(提供する価値や行動指針)を明確にすることで、ブランドの核となる「軸」が社内外に共有されます。
MVVの策定には、経営層だけでなく、現場スタッフも巻き込んだ社内アンケートやワークショップの実施が効果的です。
現場の声を取り入れることで、実態と乖離のないブランドが形成され、スタッフの納得感も高まります。
ブランディングは「見た目」だけでは成立しません。
重要なのは、顧客が企業と接するすべての場面において一貫した体験を提供することです。
Webサイト訪問から店舗来店、契約、アフターサービスに至るまで、すべての接点で「この会社らしい」と感じてもらえるよう設計する必要があります。
ブランドを体現するためには、
・ロゴ・カラー・書体の統一
・接客時の言葉遣いやマナー
・物件案内でのストーリー性(エリアの暮らしや価値観の紹介)
といった細部へのこだわりが求められます。
見た目や対応に“ばらつき”があると、それだけで顧客に不安を与えてしまいます。
一方、すべての体験が整っていると、「信頼感のある一流企業」という印象が醸成され、結果的に顧客の心に残るブランド体験へとつながるのです。
情報発信は現代のブランディングにおいて欠かせない要素です。
特に、オウンドメディアやSNSは、企業の専門性や価値観を直接伝える重要なチャネルとなっています。
不動産会社であれば、「相続に強い」「空き家活用に詳しい」「地域密着で暮らしの情報を発信している」など、独自のテーマを掲げて情報を発信し続けることが、見込み顧客との信頼構築につながります。
たとえば、
・YouTubeでリノベーション事例を紹介する動画コンテンツ
・Instagramで地元イベントや社員紹介を投稿
・自社ブログで不動産の基礎知識や制度の解説
などが効果的です。
こうした施策により、企業としての信頼性や専門性が蓄積され、“この会社に相談したい”と感じる潜在顧客を自然に育てることができます。
不動産会社のブランディングには、企業の個性や価値を「視覚化」して伝える工夫が欠かせません。
クラスコが提供するブランディング支援サービスでは、企業ごとにカスタマイズされたロゴ、名刺、店舗デザインなどを通じて、現場でのブランディング浸透を後押ししています。
■ 株式会社リアルター(北海道旭川市)
北海道旭川市で地域密着型の不動産サービスを展開する株式会社リアルターは、「信頼と安心」をブランドコンセプトに、クラスコのブランディング支援を導入しました。
新たに設計されたロゴや名刺、店舗サインは、清潔感と誠実さを感じさせるデザインに統一されており、旭川エリアで“頼れる地元の不動産会社”としてのブランドイメージを確立しています。
こうした視覚面での一貫性は、顧客との初期接点から契約、アフターサービスに至るまでのあらゆる場面で「安心感」と「信頼感」を与える効果があります。
■ 株式会社アート不動産(愛媛県松山市)
「住まいにもアートの感性を」というユニークな価値観を掲げるアート不動産では、ブランディングにおいても“デザイン”を重視。
シンプルかつ洗練されたロゴや紙媒体、店舗外観を構築しました。
視覚的にも感性的にも「美しさ」と「質の高さ」を感じさせる演出は、デザイン志向の高い松山市の顧客層に強く訴求しています。
特にロゴや配色においては、企業名の持つ“芸術性”というキーワードを視覚に落とし込むことで、ブランドの世界観が直感的に伝わる仕上がりとなっています。
ブランディングは、大手企業だけの専売特許ではありません。
むしろ、地域に根ざし、お客様と一人ひとり丁寧に向き合っている会社こそ、最大の効果を発揮するのがブランディングです。
小さな信頼の積み重ねこそが、その会社の「らしさ」を形づくります。
それをロゴや言葉、接客、空間デザインなどあらゆる“見える形”で統一し、発信していくことで、はじめてその魅力が「伝わる力」へと変わっていきます。
地域のお客様に選ばれ続けるために。
自社の強みや想いを、伝わる形に変えていく。それが、これからの時代のブランディングです。
-----------------------------------------------------------
不動産テックのTATSUJIN JOURNALでは、最新の不動産トレンド、不動産テック、賃貸仲介・売買の業務改善事例、セミナー情報などお役に立つ情報を日々発信しています!
日々変わりゆく、時代の変化に応じた取組みが今まで以上に必要となってきました。
そこで、賃貸管理会社の皆様のお悩み、課題を解決するために、不動産に関する最新の情報をご提供しております。
その他、賃貸管理会社の皆様にお役に立てる情報をメルマガ・LINEにて配信しております。
こちらもぜひご登録お願いいたします!
-----------------------------------------------------------