賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
競争が激化する不動産業界において、安定的な管理受託の獲得は会社の成長に直結します。
本記事では、管理受託を増やすために不動産会社が今すぐ取り組むべき戦略を6つの観点で解説します。
加えて「受託が伸び悩む原因」や「契約率を上げる商談術」など、現場で役立つ実践ノウハウも紹介します。

管理受託を増やしたいと考えていても、思うように成果が出ない不動産会社は少なくありません。
その背景には、単なる営業力不足ではなく、業界構造やオーナー意識の変化に対応しきれていないことが大きく影響しています。
まず、多く見られるのが、営業活動の属人化です。
ベテラン担当者の経験や人脈に依存した営業体制では、成果にばらつきが生じやすく、再現性のある受託獲得が難しくなります。
また、担当者が異動・退職した際にノウハウが引き継がれず、組織としての営業力が蓄積されないという問題も発生します。
次に挙げられるのが、オーナーのニーズ変化への対応不足です。
近年のオーナーは、単なる入居者募集や家賃回収だけでなく、「空室リスクの最小化」「長期的な資産価値の維持」「収支改善の提案」など、より経営視点で管理会社を選ぶ傾向が強まっています。
従来型の管理説明だけでは、「今の管理会社と何が違うのか」が伝わらず、管理変更の決断に至らないケースが増えています。
さらに、競合との差別化が曖昧であることも大きな要因です。
管理内容や料金体系が横並びになりやすい不動産管理業界では、自社の強みが言語化されていないと、オーナーから「どこに任せても同じ」と判断されてしまいます。
その結果、価格競争に陥り、利益率を下げながらも受託数が伸びない悪循環に陥ることがあります。

管理受託の増加を目指すにあたって、やみくもに営業活動を拡大しても成果にはつながりません。
大切なのは「どのアプローチが自社にとって最も効果的か」を見極め、戦略的に実行することです。
以下では、不動産会社が実際に成果を上げている6つの管理受託獲得施策を体系的に解説していきます。
管理受託数を増やすうえで、最も着手しやすく、かつ成果が出やすいのが「既存のオーナーとの関係性を深めること」です。
新規顧客の獲得に比べて、既存顧客のリテンション・アップセルにかかるコストは圧倒的に低く、かつ紹介や再委託につながる可能性も高まります。
まずは、定期的な顧客満足度調査(CS調査)を行いましょう。
アンケート形式でも、担当者によるヒアリングでも構いません。
「何に満足しているか」「改善してほしい点は何か」といった意見を可視化することで、改善の優先順位を明確にできます。
次に、クレームや要望に対するスピーディな対応体制の整備が重要です。
オーナーの不満は、管理会社変更の最大の引き金になります。
とはいえ、目指すべきは「クレームゼロ」ではありません。それよりも、要望に対して丁寧に応え続ける姿勢こそが信頼につながるのです。
オーナーとの関係性は、短期的に数字には現れにくいですが、管理継続率・紹介率といった中長期のKPIに確実に影響します。
まずは“いま目の前にいる顧客”との信頼構築から始めましょう。
近年、インターネットを通じて情報収集を行うオーナーが増えており、「管理会社をWebで探す」という行動は当たり前になっています。
そこで重要となるのが、Webマーケティングによるオーナーリードの獲得施策です。
代表的な手法のひとつが、SEOを活用したコンテンツマーケティングです。
「不動産 管理会社 選び方」「賃貸経営 管理 委託」などの検索キーワードに対して、有益な情報を発信する記事やページを作成・運用することで、顕在層〜準顕在層のオーナー候補に継続的にアプローチできます。
また、オーナー向けに最適化されたランディングページ(LP)も効果的です。
エリア・物件種別・管理内容などを絞り込み、「なぜ自社を選ぶべきか」が明確に伝わる構成が重要です。
Web施策の多くは即効性に乏しく、成果が出るまでに3〜6か月程度かかるのが一般的です。
しかし一度仕組みを作れば、広告費をかけずとも安定的な問い合わせ獲得チャネルになります。
ROIという観点でも、1件あたりの獲得単価が抑えられるうえ、自社に合ったリード(見込みオーナー)だけを抽出できるというメリットがあります。
※ROIとは、「Return On Investment」の略で、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標。
「管理内容に不満はないが、他にもっと良い方法があるのでは?」と考えているオーナーは意外と多く存在します。
そうした潜在層にアプローチするために有効なのが、物件価値診断という切り口からの提案です。
「今の管理体制で本当に収益が最大化されているのか?」「空室リスクは最小化されているか?」といった不安や疑問に対し、専門的な診断を無料で提供するサービスは、オーナーにとって価値の高いアプローチです。
たとえば、以下のような観点で診断を行うことで、差別化された提案が可能になります。
・管理コストと業務内容の適正性
・空室率・入居者属性の傾向分析
・物件の築年数・立地に応じた収益最大化案
診断結果に基づき、改善の余地がある場合は、具体的な管理プランやサービスの提案へ自然につなげることができます。
重要なのは、「売り込み」ではなく、「課題の可視化」と「選択肢の提示」というスタンスを取ることです。
診断の内容に納得感があり、オーナーの立場に立った提案であれば、管理変更への心理的ハードルが一気に下がります。
また、Webフォームを活用した自動診断や、訪問時にその場で実施できるチェックリスト式診断など、運用負荷の少ない仕組みを設けることで、営業現場でも活用しやすくなります。
このような「診断型アプローチ」は、教育→信頼→受託という理想的な営業プロセスを構築するうえで非常に有効です。
多数の不動産会社がひしめく中で、どこに任せても同じと思われてしまっては、価格競争から抜け出せません。
だからこそ今、不動産管理会社に求められているのは、選ばれる理由=ブランドの確立です。
ブランディングとは、単にロゴやデザインを整えることではありません。
大切なのは、「自社がどのような価値を提供しているのか」を明文化し、あらゆる接点で一貫して伝えることです。
たとえば、
・〇〇エリアで〇棟以上の管理実績
・24時間対応・専属スタッフ体制
・ファミリー向け・高齢者住宅・投資用物件などへの特化
・地域情報に基づいた入居者募集・リスク対策
これらの強みは、パンフレット・提案書・Webサイトなどすべての営業ツールで一貫性をもたせましょう。
今やブランドは「自社がどう語るか」だけでなく、「世の中にどう見られているか」が重要です。
SNSやオウンドメディアを活用して、実績・活動・顧客対応などを積極的に発信することで、“中の見える会社”として信頼感を醸成できます。
オーナーの声・成功事例を記事化しSNSで配信
社員の現場対応・取り組みを紹介(顔の見える会社へ)
エリア情報・空室対策ノウハウなど専門性ある発信で差別化
こうしたメディア戦略により、管理会社としての信頼と親近感を持たれる存在へとポジショニングできます。
管理受託営業において、がむしゃらにアプローチするスタイルでは、今後ますます成果を出しにくくなってきます。
限られたリソースの中で成果を最大化するには、データに基づいた“確度の高い営業”へのシフトが必要です。
まず取り組むべきは、リード情報の一元管理です。
顧客管理(CRM)ツールや営業支援(SFA)ツールを活用すれば、以下のような情報を可視化できます。
・どのチャネルから獲得したリードか(Web、紹介、イベントなど)
・いつ、どのような提案・接触が行われたか
・案件ステータス(初回面談、提案済、検討中、成約済など)
加えて、商談件数・成約率・受託単価などのKPIを継続的にトラッキングすることで、組織全体のボトルネックを明確にできます。
データに基づき、「受託に至りやすい顧客像=ホットリード」のパターンが見えてきたら、営業リソースの集中投下が可能になります。
たとえば、「保有物件数が複数あるオーナー」「他社の管理に不満を感じているオーナー」「Webから積極的に情報を取得しているオーナー」といった条件に合致する見込み顧客に対して、個別フォローや特別提案を優先的に行うなど、打ち手の精度を上げる営業戦略が実現できます。
このようなデータドリブンの営業体制は、属人化を防ぎ、再現性のある成果創出モデルを構築するうえでも極めて有効です。
不動産業界は、士業・金融・仲介・建築など周辺プレイヤーとの関係性が非常に重要です。
そうしたネットワークを活用し、紹介によって新たな管理受託を獲得する戦略は、コスト効率と成約率の両面で非常に優れています。
まず注力すべきは、不動産仲介会社や税理士・司法書士・相続アドバイザー、金融機関などと相互送客可能な関係性を築くことです。
これらのプレイヤーは、日常的に多くのオーナーや物件所有者と接点を持っており、管理ニーズの早期察知が可能です。
効果的な提携のためには、
・紹介時の管理委託フローの共有
・オーナー向けの共同セミナー
・相談会の実施
・パートナー専用の問い合わせ窓口・資料提供
といったスムーズな導線設計と紹介しやすい環境づくりが重要です。

リードを獲得しても、商談で契約につながらなければ意味がありません。
管理受託におけるクロージングでは、「この会社に任せて大丈夫か」という信頼の最終判断が下される重要な場面です。
ここで成果を出すには、提案力だけでなく、安心感・具体性・選択肢の明示といった要素を意識したアプローチが欠かせません。
①オーナーの課題に直結した提案を行う
汎用的な管理メニューを説明するだけではなく「空室が埋まらない理由」「対応に不満を感じている点」など、事前に把握した課題を踏まえた個別提案型の資料を提示しましょう。
提案内容に“オーナー自身の課題が反映されているか”が鍵になります。
②管理変更の流れを丁寧に説明する
オーナーが最も不安に思うのは「今の管理会社から切り替える手続きが大変そう」という心理的ハードルです。
工程ごとに必要書類や所要期間を示し、「想像以上にスムーズに進められる」ことを具体的に伝えることで、契約への一歩を後押しできます。
③選択肢を与えるクロージング手法を使う
「いかがでしょうか?」と聞くのではなく「〇〇プランで進めましょうか?それとも□□の方が安心ですか?」のように、選択肢を提示するクロージングを意識しましょう。
押し売り感をなくしつつ、意思決定を自然に促す心理誘導ができます。
クロージングは、単に「説得する」場ではありません。
オーナーに「ここなら任せられる」と思ってもらうための、信頼の最終調整の時間です。
事前準備と丁寧な導線設計が、契約率を大きく左右します。
管理受託を継続的に増やすためには、単に営業件数を増やすだけでは不十分です。
今回、紹介したように、既存オーナーとの信頼関係の強化から始まり、Webマーケティングの活用、物件価値診断による課題の可視化、ブランド力の強化、データに基づく営業精度の向上、そして紹介営業の強化まで、多角的かつ戦略的な取り組みが求められます。
これらの施策は、それぞれが単体で機能するものではなく、営業プロセス全体の中で連動させることで、より高い成果を生み出します。
また、リードを獲得した後の商談やクロージングの精度が最終的な受託率に大きく影響するため、営業スキルや提案内容の質を高めることも忘れてはなりません。
まずは、自社の現状を振り返り、「何ができていて、何が足りていないか」を明確にすることから始めましょう。
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