
賃貸管理でよくあるクレーム・トラブル6選
2020.06.25
賃貸住宅やオフィスビルの仲介、さらには不動産の売買を手がける「不動産営業」は、転職市場でも安定した需要がある人気の職種です。
不動産の取引は、お客様にとって人生で何度もない大きな契約。その重要な瞬間に立ち会い、サポートするのが不動産営業の仕事です。
一方で、「飛び込み営業」や「クレーム対応」など、ハードなイメージを持たれることも少なくありません。実際に大変な場面もありますが、その分、お客様の人生に深く関わるやりがいや、大きな成果を得たときの達成感は格別です。
本記事では、不動産営業という仕事に焦点を当て、具体的な仕事内容や必要な資格、気になる年収について詳しく解説します。
これから不動産営業を目指す方はもちろん、新人営業マンの方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
不動産営業は、顧客の希望やライフスタイルに合った物件を提案し、契約成立までの過程を一貫してサポートする職種です。単なる「モノ売り」ではなく、高額な商品を扱うからこそ、信頼関係の構築や課題解決型の営業スキルが求められます。
以下では4つの主な職種を紹介します。
主に個人や法人の顧客に対して、賃貸物件の紹介や内覧対応、契約手続きなどを行います。
物件の条件や立地だけでなく、周辺環境や生活インフラなどの情報も求められるため、地域に精通していることが強みになります。
また、賃貸物件のオーナーとのやりとりも欠かせません。
空室リスクを減らすための提案や、物件の魅力を引き出す写真撮影・広告文作成など、マーケティング要素も含まれます。
新築の建売住宅や注文住宅の販売を担うのが住宅営業です。
一般の消費者を相手に、資金計画の立案から間取りの提案、完成・引き渡しまで長期にわたる関係を築きます。
とくに注文住宅では、要望のヒアリング力とプレゼンテーション能力が問われます。
住宅ローンや税制などの知識も必要で、ファイナンシャルな側面もカバーする必要があります。
不動産投資を目的とした顧客(個人投資家・法人)に対して、アパートやマンションなどの収益物件を提案・販売する職種です。物件の利回りやエリアの将来性、税効果などを数値で説明する力が求められます。
金融や税務に関する知識が不可欠で、投資戦略を理解した上でのコンサルティング型営業が基本となります。
住宅メーカーや不動産ディベロッパーなどにおいて、建売や分譲マンションの開発に適した土地を探して仕入れる役割です。不動産仲介業者との関係構築、都市計画や法令に関する知識、収益シミュレーション力など、戦略的なスキルが必要です。
情報のスピードと交渉力が勝敗を分ける仕事で、土地の用途やエリア特性、将来的な収益性まで見通せる総合的な判断力が求められます。
不動産営業の仕事は、単に物件を売る・貸すだけではありません。
顧客との信頼関係構築を軸に、物件提案から契約、アフターフォローまでを総合的にマネジメントする業務です。主な業務内容は以下のように多岐にわたります。
顧客との最初の接点は、電話・メール・来店など様々です。
重要なのは「何を求めているか」を的確に把握するヒアリング力。
住まいに関する希望条件(エリア、間取り、家賃・価格、駅距離など)はもちろん、ライフスタイルや将来設計までを丁寧に聞き出す必要があります。
ヒアリングした内容をもとに、社内の物件データベースや各種ポータルサイト、社外のネットワークを駆使して最適な物件を選定します。
提案時には、物件の特徴を正しく、かつ魅力的に伝える資料作成やプレゼンテーションも重要です。
気になる物件が見つかれば、顧客とスケジュールを調整し、現地で内覧を実施します。
単なる案内役ではなく、「この間取りなら家具はこう置けます」「近くにスーパーがあります」など、具体的な生活イメージを伝える力が求められます。
内覧後に契約意思が固まれば、重要事項説明(※宅建士の資格が必要)や契約書の作成・説明を行います。
住宅ローンや各種手続きのサポート、引っ越しに関する情報提供など、契約以降のサポートも丁寧に行うことで顧客満足度を高められます。
契約後のフォローアップも重要な業務のひとつです。
「物件に不備がないか」「入居後のトラブル対応」など、長期的な信頼関係の構築が、紹介やリピート契約に繋がります。
賃貸の場合は更新時期の連絡や退去手続きの案内も含まれます。
・物件情報の仕入れ・登録
・自社サイトやポータルへの物件掲載
・チラシ・POPなど販促物の作成
・市場調査・競合分析
・チーム内ミーティング・報告業務
特に営業職は成果(=契約数)に応じたインセンティブ制度を導入している企業も多く、業務の幅広さとスピード感が求められる職種です。
不動産営業として働くために絶対に必要な資格はありませんが、専門知識と顧客の信頼を得る上で、一定の資格を持っていることは大きな強みとなります。
特に「宅地建物取引士(宅建士)」は、業界において必須とも言える資格です。
以下は不動産営業に役立つ主要な資格です。
不動産業界で最も認知度・信頼度が高く、多くの不動産会社が社員に取得を推奨または義務付けている国家資格です。
【資格取得のメリット】
・不動産契約時の「重要事項説明書」の読み上げができる(これが宅建士にしか認められていない独占業務)
・顧客からの信頼が得やすい
・資格手当(月1〜3万円程度)が支給される企業が多い
・管理職や昇進の条件になることもある
難易度はやや高めで、合格率は15〜17%程度とされています。
働きながらの取得も可能で、通信講座や資格スクールも充実しています。
賃貸物件の管理に関する専門資格で、国土交通省の登録制度にもとづいています。
2021年より国家資格となったことで注目が集まっています。
【資格取得のメリット】
・管理物件のオーナー対応の質が向上
・サブリースや修繕提案など管理業務の幅が広がる
・管理業務主任者としての登録要件を満たす
特に賃貸管理業務に携わる営業担当者には取得が推奨されています。
不動産購入は人生の中でも大きな金額の支出になるため、資金計画やローン返済のアドバイスが求められます。そこで役立つのがFPの資格です。
【活用シーン】
・顧客の家計全体を考慮した物件提案
・税制(住宅ローン控除、相続税)についての説明
・保険や資産運用の観点からも信頼性が高まる
特に投資用不動産を扱う営業や高所得層をターゲットにする営業には大きな武器になります。
マンション管理士:マンションの運営・管理に関する相談対応に役立つ
建築士:物件の構造や建築基準について専門的に理解できる
不動産コンサルティング技能登録者:より高度な不動産投資や資産運用のアドバイスに対応可能
「資格は不要」と言われることもありますが、競争の激しい不動産業界では“持っていて当たり前”の時代に突入しています。
営業スキルと知識の両輪で、差別化を図りましょう。
不動産営業の年収は、「固定給+インセンティブ(歩合給)」という成果報酬型の給与体系が主流です。
そのため、同じ会社に所属していても年収には大きな差が出るのが特徴です。
未経験からスタートしても高収入を狙える反面、実力主義の厳しさもある職種と言えるでしょう。
職種 | 平均年収の目安 |
---|---|
賃貸営業 | 約400万円〜500万円 |
住宅営業 | 約500万円〜600万円 |
投資用不動産営業 | 約600万円〜800万円 |
土地仕入営業 | 約700万円〜900万円 |
※地域や企業規模、インセンティブ率により変動あり。
投資用不動産や土地仕入の営業は高額な取引が多く、1件成約で数十万円〜数百万円の歩合が発生することもあります。
一方で、賃貸営業は単価が低めな分、契約件数を積み上げていくスタイルが主です。
優秀な営業マンになると、歩合報酬だけで年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
特に、以下のような人材は高収入になりやすい傾向があります。
・月に3件以上の売買契約を継続的に取れる
・リピート・紹介での成約率が高い
・富裕層や投資家向けの提案ができる
・長期的に管理や資産運用まで含めた提案ができる
歩合率は企業によって異なりますが、販売価格の1〜10%が営業担当に還元されるケースが一般的です。
中にはフルコミッション(完全歩合制)を採用する会社もあり、自由度と引き換えに高リスク・高リターンの報酬形態になります。
企業によっては、固定給が低く歩合率が高い「成果重視型」や、固定給が高めで歩合が少ない「安定重視型」など、給与体系が異なります。
入社前にしっかりと確認しておくことが重要です。
成果重視型:若手でも短期間で高年収を狙えるが、プレッシャーが大きい
安定重視型:基本給で生活は安定するが、大きく稼ぎにくい
女性営業職も増加しており、特に賃貸営業では「きめ細やかな対応」が好評で、成績上位にランクインする人も少なくありません。
未経験スタートでも、研修制度やOJTが整っている企業であれば、早期に年収400万円台を目指すことも可能です。
年収アップを狙うなら、「売れる営業」になるだけでなく、「長く信頼される営業」を目指すことが重要です。安定した成果を出す営業は、企業からも顧客からも重宝される存在になります。
不動産営業職は、成果主義を基本とする職種であるため、実績に応じて多様なキャリアの選択肢が広がります。
努力次第で20代から管理職や高年収を実現することも可能であり、自分の強みを活かして専門性を高める道や、独立して起業する道も選べます。
以下は代表的なキャリアパスの例です。
営業として一定の実績を上げた後、リーダーや課長、部長などの管理職に昇進するケースです。
チームメンバーのマネジメントや教育、新人育成、数字管理などが主な業務になります。
営業力だけでなく、組織運営や人材マネジメントの力も問われるフェーズです。
特に大手不動産会社では、社内研修制度が整っており、実績に応じて早期に昇進のチャンスが与えられる傾向にあります。
賃貸、住宅、投資用不動産などの中から、自分の得意分野に特化して専門性を磨く道です。
たとえば投資用不動産の分野では、資産運用や税務知識に強い営業が重宝されますし、高級住宅を専門に扱う営業は富裕層顧客との関係構築力が重要になります。
このような「プロフェッショナル営業」として実績を積むと、他社からのヘッドハンティングや講演依頼なども増える可能性があります。
不動産営業で培ったスキルは、他の部門でも活かすことができます。
たとえば…
マーケティング部門:顧客データや反応をもとに集客施策を立案
不動産管理・運営部門:オーナーとのリレーションを生かして物件管理に移行
コンサルタント:不動産活用や相続、事業承継などの専門アドバイザーに
営業の現場を知る人材は、社内外を問わず高く評価される傾向にあります。
経験を積んだ後、自ら不動産会社を立ち上げて独立する人も少なくありません。
宅建士の資格を持っていれば、法人登記し、代表取締役として営業・仲介・管理を一貫して行うことも可能です。
また、「地元密着型の賃貸仲介」「高級住宅専門の仲介」「外国人向けの不動産支援」など、独自の強みを活かしたニッチなビジネス展開も可能です。
独立には資金や経営知識が必要となる一方で、自由度が高く、成功すれば大きな収入を得られる道でもあります。
不動産営業は、顧客の人生に関わる大きな決断を支える責任ある仕事です。
単に「営業が得意」だけでなく、多様なスキルや資質が求められます。
ここでは、不動産営業に向いている人の特徴を6つご紹介します。
不動産営業の中心は「人対人」のビジネスです。
顧客の要望を正確に引き出すヒアリング力、信頼を得るための誠実な対応、契約に至るまでの丁寧な説明など、あらゆる場面でコミュニケーション力が求められます。
特に、専門用語が多くなりがちな不動産業界では、難しい情報を「かみ砕いて説明する力」が重宝されます。
営業職である以上、数値目標(ノルマ)に対する意識は欠かせません。
短期的な売上だけでなく、長期的な信頼や紹介につながる営業活動を粘り強く継続できる人は、成果を出しやすい傾向にあります。
「負けず嫌い」「コツコツ努力できる」といった性格の人は、厳しい局面でも成長しやすいです。
顧客の希望は十人十色で、想定外の要望やトラブルが発生することも少なくありません。
そのため、状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟性が必要です。
特に物件の案内や契約に関しては、「今すぐ対応してほしい」というケースも多く、スピーディーな対応力が評価されます。
不動産業界では、法改正や税制の変更、新しい住宅ローン制度など、常に最新の知識が求められます。
資格取得や勉強を継続できる人は、提案の幅が広がり、顧客からの信頼も厚くなります。
宅建士やFPなどの資格取得を目指す人には特に向いている職種です。
スケジュール管理、顧客管理、案件の進捗管理など、営業活動には高い自己管理力が必要です。
時間の使い方が上手な人、タスクを効率よく進められる人は、成果が安定しやすくなります。
また、インセンティブ制の会社では、自律的に働ける人ほど高収入を得やすくなります。
「いい家が見つかって本当に良かった」「この提案で安心できた」といった感謝の言葉をもらえるのが、不動産営業のやりがいのひとつです。
お客様の立場に立って考えられる人、人の人生をサポートしたいと思える人は、自然と信頼を集められます。
これらの資質をすべて持っていなければ成功できない、というわけではありません。
むしろ、不動産業界では「未経験からスタートして、努力でキャリアを築く」人が多数います。
大切なのは、地道な努力を継続できるかどうかです。
不動産営業は、物件の提案や契約を通じて顧客の暮らしや資産形成に貢献する、非常にやりがいのある職種です。
仕事内容は幅広く、成果に応じて高収入も期待できます。
宅建士などの資格取得や専門性の強化によって、キャリアの選択肢も広がります。
人とのコミュニケーションが好きな方、自分の努力で収入を高めたい方には特に適した仕事と言えるでしょう。
不動産業界に興味のある方は、まず仕事内容やキャリアパスを正しく理解し、自分に合った働き方を検討してみてください。
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