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不動産会社での社内マニュアルの作り方〜5つの手順と6つのポイント〜

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不動産会社での社内マニュアルの作り方〜5つの手順と6つのポイント〜

不動産会社には、物件の売買や管理、仲介業務など多岐にわたる業務があり、社員が一人で全てを把握することは困難です。

そのため、社内マニュアルを作成し、業務の手順やルールを明確にして、共有することが重要です。

今回は、不動産会社での社内マニュアルの作り方を解説させていただきます。

社内マニュアル作成のための5つの手順と、6つのポイントを参考にしてください。


<目次>
社内マニュアルはなぜ必要か
 業務の効率化
 情報の共有化
 ミスの防止
 顧客サービスの向上
社内マニュアルを作成する5つの手順
 1)目的を明確にする
 2)マニュアルの構成を決める
 3)コンテンツを整理する
 4)体制を整える
 5)チェックと改善
社内マニュアルを作成する際の6つのポイント
 1)ターゲットユーザーを想定する
 2)適切なテンプレート・フォーマットを選択する 
 3)視覚的な表現の活用
 4)言葉の選び方と書き方
 5)作業手順の目的や理由を掲載する
 6)見出しの設定を工夫する
おすすめの「社内マニュアル」作成のための不動産テック
まとめ


社内マニュアルはなぜ必要か


会社内の社員向けのマニュアルは、現在どのような方法で管理・保管されているでしょうか。

新入社員を迎える今、社内マニュアルの見直しが必要な会社も多いでしょう。

業務が煩雑な不動産業界において、社内マニュアルは重要なツールであり、積極的に活用することが求められます。


業務の効率化

不動産業界には、様々な業務があります。

社内マニュアルを作成することで、業務の手順や流れを統一化し、業務の効率化が図れます。

また、新しい社員が入社した場合でも、マニュアルを活用することで迅速に業務を覚えることができます。


情報の共有化

社内マニュアルを作成することで、情報を共有化することができます。

社員が個人的に持っている知識や情報を、社内マニュアルにまとめることで、全員が同じ情報を共有することができます。

これにより、業務の品質向上やトラブルの予防につながります。


ミスの防止

不動産業界では、契約書や書類作成など細かな作業が多く、ミスが起きやすい状況があります。

社内マニュアルを作成することで、業務手順が明確になり、ミスが起こりにくくなります。

また、社内マニュアルには、契約書の作成例や注意点なども記載することができるので、これを確実に確認する事によってミスの防止につながります。


顧客サービスの向上

社内マニュアルには、顧客サービスに関する項目も記載することができます。

例えば、顧客との接し方や、トラブル・クレームなどの問題発生時の対応方法などを記載することで、迅速で適切な対応ができ、結果として顧客満足度の向上につながります。


社内マニュアルを作成する5つの手順

以下の5つの手順が、不動産会社で社内マニュアルを作成する際の一般的な手順です。

社内の業務環境や目的、ニーズによって必要な内容や手順は異なるため、柔軟に対応し、それぞれの会社に合ったマニュアルが作成される必要があります。


1)目的を明確にする

まずは、社内マニュアルを作成する目的を明確にする必要があります。

マニュアルの作成がどのような目的で、社員や顧客のために作成されるのか。

マニュアルがあることのメリットは何か。

マニュアルがないとどのようなデメリットがあるか。

などを会議などで打ち合わせて明確にしてきます。

その話し合いの中で、実際どのような内容が必要かも浮かび上がってくるでしょう。


目的は1つとは限らず、例えば、

・新人教育を効率化するため

・トラブルやクレームへの対応をマニュアル化して、属人的でない方法を共有するため

・人員不足を補うべく、業務効率化のため

・法令遵守や品質管理のため

・DX化に伴い、これまでのマニュアルをデータ化するため

など、目的によって必要な内容が異なります。


2)マニュアルの構成を決める

社内マニュアルは、目的に応じて必要な内容を整理して構成します。

例えば、営業手順や業務マニュアル、ルール・規則、業界情報、顧客情報管理、コミュニケーションの取り方、セキュリティ対策など、項目ごとに区分けして整理します。


①はじめに 

社内マニュアルの目的や、対象読者、使用方法について説明するページです。

マニュアルの概要や改訂履歴、注意事項などを記載します。


②組織・業務内容 

会社の組織図や、各部署の業務内容を紹介するページです。

各部署の担当業務や役割分担を明確にし、社員がどのような業務を担当しているのかを把握しやすくしましょう。


<組織について>

まずは、会社の組織図を掲載します。

組織図は、誰が誰の上司であるかや、どの部署がどの部署と関わりがあるのかなどを一目で把握できるようにするための図です。

社員が自分の役割や業務内容を理解する上で必要不可欠な情報ですので、わかりやすく、明確に表示します。

次に、各部署の業務内容を紹介します。

不動産業界は多岐にわたる業務がありますので、各部署ごとに担当業務や役割分担を明確にすることが大切です。

例えば、営業部門では、新規物件の開拓や顧客への提案、契約書の作成などが主な業務となります。

管理部門では、物件の管理や整備、入居者対応などが主な業務となります。

それぞれの部署でどのような業務を行っているのかを把握することで、業務の流れや関係性を理解することができます。

また、部署ごとに担当する業務以外にも、社内での連絡方法や業務の優先順位などを説明するとより理解が深まります。

各部署が円滑に業務を遂行するためのルールやマナーも、このページで説明すると効果的です。

組織・業務内容のページは、新入社員や部署異動などで業務に慣れていない社員にとっては特に重要なページです。

視覚的にも分かりやすい図やイラスト、写真を使用して、社員が業務を理解しやすいように工夫します。


<業務について>

  • ・物件の仕入れ
  • ・販売、賃貸業務 
  • ・建物の管理、メンテナンス業務 
  • ・顧客への提案、契約書の作成業務 
  • ・金融商品の提供業務(不動産投資信託など) 
  • ・不動産に関する法律や税金のアドバイス業務 
  • ・土地や建物の評価業務(査定、鑑定) 
  • ・不動産に関する情報収集、調査業務 
  • ・物件のデータ管理業務 
  • ・マーケティングや広告、宣伝業務 
  • ・不動産業界に関する調査研究業務
  • などがあります。


③業務手順 

不動産業務に必要な手順を記載するページです。

物件の売買や仲介業務における手順やルール、契約書の作成方法などを具体的に説明します。

手順ごとにイラストや写真を使って視覚的に分かりやすくすると効果的です。


④情報管理・保管 

物件情報や契約書などの重要な書類について、適切な管理や保管方法を記載するページです。

保管場所や管理者、保管期間などを明確にすることで、情報漏洩や紛失を防止するための指針を示す必要があります。


⑤マナー・ルール 

社内のマナーやルールについて説明するページです。

社員同士のコミュニケーションや、顧客対応の際のマナーなど、社内で守るべきルールやマナーを明確にしましょう。

例えば、会議室の使い方、ゴミ出しの方法、社内清掃の担当や方法、社用車の管理、などもルールが明確でいつでも確認ができる事は、社内のコミュニケーションを円滑にするために重要な事です。

・休暇の取り方

・シフト管理

・社内報の配信方法

などもこの中に格納されているべき項目になります。


⑥マニュアルの概要や改正履歴

マニュアルは定期的に見直されるべきものですが、その改正履歴が残っている事が必要です。

長期休暇から復帰した社員にとって混乱がないものとして活用されやすかったり、何年も改正のないマニュアルに関しては見直しが必要と気づいたりするなど、履歴が必要なケースがあります。


⑦FAQ 

よくある質問や疑問についてまとめたページです。

社員が抱える疑問や不安を解消することで、業務効率を向上させることができます。


3)コンテンツを整理する

構成した項目ごとに、必要なコンテンツを整理します。 

必要な情報を収集し、整理して分かりやすい形で表現するようにします。 

業務フローの図解や、業務の手順書、事例などを含めることも考えます。


4)体制を整える

マニュアルの見た目を整えることで、わかりやすさや使いやすさを向上させることができます。 

これからの社内マニュアル作成は、データ化されることが必須ではありますが、例えば、

  • ・デザインに会社のブランディングが反映されている 
  • ・見出しや章立てが的確でわかりやすい 
  • ・データ内の動線がわかりやすく自分の必要な項目へのアクセスがしやすい
  • ・表やグラフの活用、図解や写真の挿入によりわかりやすい
  • ・フォントやレイアウトなどがシンプルで見やすい 
  • ・どこに保管されているかが社員全員にとって明確である 
  • ・セキュリティが管理されていて、安全に使える などの配慮が必要です 

また、せっかく中身が充実して、仕上がりもまとまっていても、この見やすさや扱いやすさが劣っていてり不十分であると、使用されにくいマニュアルになってしまいます。


5)チェックと改善

マニュアルを作成したら、実際に社内で使用し、必要に応じて改善を加えるようにします。

社員からのフィードバックを取り入れることで、より使いやすいマニュアルを作成することができます。


社内マニュアルを作成する際の6つのポイント


1)ターゲットユーザーを想定する

社内マニュアルは、誰が利用するかによって内容や書き方が異なります

新入社員やパート・アルバイトスタッフ、管理職など、利用者の役職や役割に応じて必要な情報を整理し、わかりやすく書くことが大切です。


2)適切なテンプレート・フォーマットを選択する

はじめに、マニュアルの目的に合ったフォーマット(ひな形)を選びます。

たとえば、危険物の取り扱いに関するマニュアルをつくるときは、安全性を確認するためにチェックリストが必要です。


このように、マニュアルに必要な項目を洗い出したうえでテンプレートやフォーマットを選ぶことで、将来的にレイアウトを変更する手間がなくなりますし、統一性が生まれ、意識として確認を安定させたものになります。


3)視覚的な表現の活用

社内マニュアルは、視覚的な表現を活用することで、わかりやすさを向上させることができます。

例えば、見出しや章立て、表やグラフの活用、図解や写真の挿入などが挙げられます。

ただし、適切な形で表現することが重要で、無意味な装飾や過剰なデザインは避けるようにしましょう。


4)言葉の選び方と書き方

社内マニュアルには、わかりやすく正確な言葉遣いと、読みやすい文章が必要です。

簡潔な表現や定型文の活用、フルネームでの表記など、一貫性を持った書き方を心がけましょう。


5)作業手順の目的や理由を掲載する

作業の手順だけ書いてあるマニュアルは作成が簡単ですが、ここに「なぜこの手順で行う必要があるのか」「この行動にはどういった目的があるのか」を記載しておくことで、活用の有効性が随分と変わってきます。

行動の本意や真意を明確にすることで、その行動の重要性には気づくことができます。 

必要な業務プロセスなのか、それとも省略しても構わない業務なのかが判別しづらく、判断を個人に委ねることになります。

担当する人によって業務の質にばらつきが生まれないようにするためには、このように理由などを明確にしておくと良いでしょう。


例)クレーム対応時の傾聴について→「話を最後まで聞く」

理由は、お客様は少なからずフラストレーションを抱いています。

解決策などがわかる内容でも、話を遮ることでお客様の気分を害す恐れがあります。

お客様の不満解消を第一に考え、主張に耳を傾けましょう。


6)見出しの設定を工夫する

マニュアルは「大見出し>中見出し>小見出し>内容」の順で階層化します。 

各階層の見出しは、大きさを変えたり字下げをしたりすることで区別できます。

また、見出しは「どのような作業か」を一目で分かるようにするため、情報は詰め込みすぎずに簡潔にまとめましょう。 

さらに、説明文もただ長文にするのではなく、具体性のあるものにすると良いでしょう。

たとえば「Aのボタンを押してから、Bの扉を開ける」のように行動に落とし込んで説明することで、従業員が作業のイメージを描きやすくなります。


おすすめの「社内マニュアル」作成のための不動産テック

▶︎入居者マニュアル・帳票作成の達人「ちんたいちょう」




まとめ

社内マニュアルの作り方の、5つの手順と6つのポイントを解説させていただきました。

また、不動産手テックとしても、社内マニュアルが作成しやすいツールがあります。

そもそも人員不足と言われる不動産業界において、このマニュアル作成だけでも大変は業務量になってしまいます。

上記にご紹介させていただいた「ちんたいちょう」もぜひ、どのようなツールかご覧ください。


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